橋本先生は、アスリートの食事は、〈コメ + 肉魚卵、大豆/大豆製品 + 野菜 + 果物 + 牛乳/乳製品〉の組み合わせが基本だと言います。これを朝、昼、晩と毎日繰り返して、しっかりとした身体を作っていく。低脂肪、高たんぱく質でビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な日本食の献立は、特に有効なのだとか。
「トップレベルで長く活躍する選手は皆、この基本を十分に理解した上で、日々トレーニングの強度やコンディションに合わせて食事の内容を調整しています」
この基本ができないと、けが、風邪、夏バテなどが起こりやすくなり、パフォーマンス維持が難しいそう。コメを中心にとした食事の継続がコンディション維持の土台というわけです。
最近では、サプリなどの補助食品を独自に取り入れるなど研究熱心なアスリートも多い。
「アスリートの間でも、糖質制限が流行ったことがあります。ある日、4,000~5,000kcal/日も消費するラグビー選手が、おコメを控えると言い出した。余分な脂肪を落としたいと。結果、体脂肪は減り動きにキレが出てきたとのことでしたが、シーズン後半には疲れが溜まり、ベストパフォーマンスを発揮できませんでした。おコメというガソリンがなければ、そうなるのは当たり前なのです」
糖質のフォーカスされがちなおコメですが、たんぱく質が摂れることも知ってほしい、と橋本先生。
「ご飯100g当たりに含まれるたんぱく質量は2.0g。男性アスリートであれば、毎食300g程度を食べるので少なくとも1食当たり6g程度(ゆで卵1個分)のたんぱく質を摂れることになります」