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アメリカ米には300年以上の歴史があります

アメリカ米には300年以上の歴史があります

アメリカにおけるコメの歴史は17世紀にさかのぼります。アメリカ南部、サウス・カロライナ州にマダガスカルからの難破船がたどりつき、難破船の修理のお礼として住人に手渡された少量の“ゴールデン・シード・ライス”というコメの種がはじまり、といわれています。
その後150 年間で、コメの生産は次第に西に広がり、中南部及びメキシコ湾岸の地域に根づきました。

19世紀半ば、ゴールドラッシュのためにあらゆる国の人々がカリフォルニア州に集まりました。
そのなかにはコメを主食とする約4万人の中国人労働者も含まれており、コメの生産が必要となりました。
サクラメントバレーの乾燥した土地がコメの生産に適していたこともあり、20世紀はじめには、カリフォルニア州はコメの主要生産地のひとつとなりました。

アメリカでは6州がおコメを生産しています

アメリカでは6州がおコメを生産しています

アメリカでは、次の6州が主なコメの産地です。同6州及び周辺の地域ですべてのアメリカ米が生産されています。
アメリカにおけるコメの耕作面積は約97万ヘクタール以上。農場数は約4,600農場で、1生産者当たりの耕作面積は平均210ヘクタールになります。
コメ栽培に必要となる灌漑施設などの固定費をまかなうために、トウモロコシや大豆、小麦よりも生産者当たりの耕作面積は大きくなっています。

出典:USDA, National Agricultural Statistics Service, Census of Agriculture 2017

アメリカのコメどころ。
カリフォルニア州サクラメントバレー

カリフォルニア州サクラメントバレー

カリフォルニア州は、アーカンソー州に次いで第2位の収穫量を誇るコメどころ。約2500戸の農家がジャポニカ系の短・中粒種のおコメを多く栽培し、アメリカにおけるおコメの生産地としても有名です。

なかでもサンフランシスコの北北東、車で2時間半ほどのところに位置するサクラメントバレーは、約97%のおコメを生産する州内屈指のコメ生産地。ワインにたとえると、カリフォルニアワインと言えばナパバレーを思い浮かべるように、コメと言えばサンクラメントバレー、つまり、おいしいおコメの生産地の代名詞となっています。

サクラメントバレーの気候は、日中と夜間の寒暖の差がある地中海気候です。コメの栽培に理想的な気候で、シエラネバダ山脈を源流とする澄んだ水も確保されています。また、粘土質の土壌は水が深く浸水することを防ぐので、コメの生産時に必要な水を十分に保持することができます。生産者は、GPSの技術を採用して農地を平らにし、水を均等に行き渡らせます。カリフォルニアの精米工場は、世界でも最も進んだ技術を取り入れており、カリフォルニアのコメ作りは、恵まれた環境と進んだテクノロジーを利用して、常に高い品質基準を提供しています。

サステイナブルな、自然にやさしいコメづくり

サステイナブルな、自然にやさしいコメづくり

サクラメントバレーで収穫されるカリフォルニア米が注目されるのには、もうひとつ大きな理由があります。それは自然環境にやさしい農法をめざし、サステイナビリティ(=持続できること)を実現していることです。サステイナブル(持続可能)な農業は、現代そして未来の社会的ニーズに則しています。環境に与えるインパクトを最小限に抑えながら農業の生産性を強化し、安全で、手ごろで、栄養に優れた食品を提供することで人々の健康に貢献し、農村の経済活力を育みます。カリフォルニアのコメ産業界は、資源を最も有効に活用し、土地から得られる長期的な生産能力を確保し、そしてコメ生産の環境的および社会的貢献を強化し続ける管理方法を活用することに、これまで30年間、生産者自らが最大の努力を払ってきました。近年では、精米や乾燥施設のオペレーションに太陽エネルギーを用いるところが増え、その割合は今後更に伸びると言われています。

このように、最少必要量の農薬使用、水資源や大気汚染への徹底的な配慮、太陽光発電の利用などを取り入れたカリフォルニアのコメ作りは、全米のモデルケースとされています。

水鳥、野生生物との共生

水鳥、野生生物との共生

環境への配慮の点で特に注目したいのは、田んぼがセントラルバレーを利用する何百万羽もの水鳥の役に立っているということです。
カリフォルニア州の20万ヘクタール以上の広大な田んぼは、このように野生生物の生息の場となっています。その恩恵を得る動物は、絶滅が危惧される30種を含め、230種にも及びます。
春の稲の生育期にはエサ場となり、冬の間は稲わらを埋めた田んぼの湿地で渡り鳥が羽を休めるなど、四季を通して野生生物に生活の場を与えています。
カリフォルニアのコメ栽培地は、この地域で越冬する水鳥の60%近くのエサ場となり、野生生物が田んぼを踏み歩くことで、稲わらの分解を助け、豊かな土壌づくりの手助けにもなっています。