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Rice menu NAVI 現代に生きる人々にフィット
“茹でるカルローズ”

Sachi /ニキズキッチン

2023年7月15日
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アメリカ料理にフォーカスしたレッスンで人気のSachi先生。“外国人の自宅で習う料理教室”として話題の「二キズキッチン」の人気講師です。多感なティーンネイジャーの頃を含む12年間のアメリカ生活に立脚した本物の現代アメリカ料理教室は、募集後すぐに予約が埋まってしまうことでも知られています。2023年7月から12月までの半年間、『作って食べて体験!カルローズ料理教室』と題し、カリフォルニアのおコメ、カルローズにフォーカスしたプライベートレッスンとライブ配信オンライン料理教室を展開するSachi先生に、料理教室におけるおコメ料理の可能性について伺いました。

「醤油をかけたおコメ」が、今の仕事のルーツ

生徒のライフスタイルにフィットする「茹でるカルローズ」

「おコメに、醤油をかけて食べるのが唯一の楽しみだったのです」

と語るのは、二キズキッチン所属のSachi先生。12歳の時に渡米、東海岸・ボストン現地校での寮生活は、食のカルチャーショックから始まったのだと言います。

「寮での食事が合わなくて、ホームシックになりました。私の母は日本でカフェを経営していて、いつもケーキやタルトを焼いていた。その影響は大きく、私も食べることが大好きなので、それまでの食事への渇望感があった気がします」

寮生活はまさに人種のサラダボウル。米国、欧州、アジア、アフリカ、、様々な地域の国から来た同級生と共同生活を送っていたというSachi先生。多感な時期、新たな環境に順応することは簡単ではなかったはず。食べたいものを求めて一人自由にレストランで食事をすることも難しい。そんな毎日の中で救いだったのが、日本では主食だったおコメだったのだと言います。

「滞在していた田舎町に、たった一軒だけあった商店でレトルトパックのおコメ商品が売られていました。パックのまま10分程度沸騰したお湯で温めてできあがり。日本で毎日食べていたふっくら炊きたてほかほかご飯の味わいとはちょっと違ったけれど、そのときの私にとってはご馳走でした(笑)」

寮のキッチンで自由に使える塩、胡椒、醤油、ケチャップの中から、醤油を拝借して、温かいおコメにタラリとかけて頻繁に食べていたのだと言います。シンプルかつ、ストレートな味わい。。。

「おコメに醤油をかけて食べていたら、外国人の友人たちが興味深そうに寄ってくるので、みんなに少しずつ振る舞うと、意外にもとても喜んでもらえたり。さらにインスタントラーメンを炒めて、焼きそばみたいにしたら、これまた受けました」

そんな経験がきっかけとなり、いろいろな料理をつくる機会が増え、同時に周囲に振る舞うことも楽しくなったというSachi先生。大学時代には自身でオーダーを受けスイーツを焼き、販売するほどの腕前になっていたそうです。

「今、大好きな料理を仕事にでき、たくさんの生徒さんに恵まれて本当にありがたいし、楽しい。当時、必要に迫られた“おコメに醤油をかけて食べる”というきっかけがなかったら、今の私はなかったかもしれません。あの頃の環境に今となっては感謝です(苦笑)」

生徒たちが求める“簡便“と“健康” 

生徒たちが求める “簡便“と“健康” 

アメリカの名門料理学校、The French Culinary Institute(現Institute of Culinary Education)に学んだSachi先生のレッスンは、本物のアメリカ料理です。特にニューイングランド地方にフォーカス。本国での食材使いと調理法に忠実に、がモットーと言います。

「たとえば、クラムチャウダーだったら、ボストンのクラムチャウダーは白いスープなので、赤いニンジンは入れないとお伝えしています。まずは本国のスタンダードをお教えしたい」

そんなスタイルが特に帰国子女や留学経験のある方々に支持され、二キズキッチンの中でも予約をとることが困難なレッスンの一つに。Sachi先生のもとに集まる生徒は、食に張り巡らすアンテナも高めです。

「皆さん、いろいろな料理教室に通っていて、しかも旅慣れているので、おいしいものを知っています。食への意識が高く、情報通。料理教室というかたちですが、私にとっては大切なコミュニティです」

塊肉を使った豪快なパーティー料理から、スイーツ、ビーガン料理と、Sachi先生が繰り出すアメリカ料理のバリエーションは多彩。野菜をふんだんに使用して、アメリカ料理のヘルシーでコンフォートな側面にスポットを当てるところにらしさが光ります。

「未だにアメリカというとハンバーガーやピザのようなちょっとジャンキーな印象があるようで、意外にヘルシーなのですね~、と生徒さんに驚かれることもあります」

今の生徒たちが、料理教室に望むものとは?

「私の教室の生徒さんは、女性が多くを占めますが、それぞれに皆忙しい。仕事を持つ人も、持たない人も関係なく、現代を生きる女性はとにかく忙しいんです(笑)。なので、簡単、便利というポイントはとても重要だと思います」

そして、皆、一様に健康への意識が高いのだとか。

「現代を元気に生活するためには、やっぱり心身が資本。総じて、皆さん健康には気を遣ってらっしゃる印象です。食材はなるべくオーガニックのものを選んだり。生徒さんは、食へのこだわりが強くて、所謂グルメ、美食家のような方も多いです。と同時に、ご自身や配偶者が糖尿病を患い糖質制限の食生活を送る方も。炭水化物にフォーカスしたレッスンだったりすると、できあがった料理をその場で食べず、持ち帰る方もいらっしゃる。ヘルシーというキーワードは、マストで求められる要素と思います」

生徒のライフスタイルにフィットする
「茹でるカルローズ」

生徒のライフスタイルにフィットする「茹でるカルローズ」

「おコメを茹で置いて使うことを、生徒さんに是非おすすめしたいです」

Sachi先生は、沸騰したお湯に塩を一つまみ入れ、カリフォルニアのおコメ、カルローズを15分間程度茹でて、冷蔵庫で保存しておくととても使い勝手がよいと言います。

「こうしておけば、一人分の少量だけササッとフライドライスを作ったりできますよ。忙しい朝、ちょっと物足りないサラダやスープに入れるとボリュームも出て満足度もUPします」

茹でて水洗いしたおコメは、冷蔵庫で保存しておけば2~3日は良いコンディションをキープします。米を研ぎ、浸水させて、炊飯するというプロセスに比べると、忙しい人にとっては確かにだいぶ省力化。そして何よりも「茹でる」ことにより、日本米より粘りが少なく、ライトな味わいとさらりとした食感をもつカルローズの特長が際立ちます。

▼茹でるとさらに軽い食感とさらりとした口当たり。
https://www.usarice-jp.com/recipe/boil/index.html

また、カルローズは茹でると、炊飯時に比べグッとヘルシーになるというファクトは、現代人にとって大きなメリットでしょう。たんぱく質量はそのままに、カロリー・糖質20%オフも実現します。

「皆さんおコメは大好き。しかし、それぞれの事情で日常では摂り過ぎないようにセーブしている方もいます。茹でるというプロセスでおコメのカロリーや糖質が落ちることにより、心的なハードルが下がるはず。“便利で、ヘルシーな”茹でたおコメを使うことは、生徒さんのライフスタイルに合っていると思います」

▼カルローズを茹でると炊飯よりもカロリー、糖質オフ!
https://www.usarice-jp.com/recipe/boil/index.html

今回のコラボレーションで、茹でたカルローズを使用したレシピを10品開発してくれたSachi先生。その中でも、挽き肉を使った定番料理に茹でたカルローズを使用することを特におすすめしたいのだとか。

「〈ミートボールスープ〉や〈野菜のコメ詰め〉は、以前からよく作っていた、定番の挽き肉レシピのアレンジです。そこに、茹でたカルローズを、挽き肉とその他具材のつなぎのように使ってみました。カルローズを使うと、煮込んでも挽き肉がギュッと締まってしまう感じがなく、ふんわり柔らかく仕上がります。茹でたカルローズはパラリとしているので、挽き肉などの食材と全体に混ざりやすいというのも調理上のメリット。しっかりつなぎの役割を果たしてくれます」

肉や野菜の旨みをカルローズが受け止め、ふっくら、さらりとした仕上がりに。茹でたおコメが入ると、一皿でも栄養バランスもとれ食べ応えも十分で、ワインとも相性が良さそうです。

「このレシピを日本米で作ったら粘り気が出て別の仕上がりになるでしょう。茹でたカルローズだから実現できる味わいだと思います」

▼Sachi先生のおコメを茹でるアメリカスタイルのライスレシピ。
https: //www.usarice-jp.com/recipe/search/Sachi/

おコメも料理で使い分ける時代
コメの役割の多様性

「先日、とあるプロジェクトに携わったことがきっかけで、米食文化でもあるシンガポールやマレーシアの料理にとても興味が湧いています。カルローズのパラリとした感じがきっと合うと思います。久しぶりにライスプディングにもチャレンジしたいです」

今後は、専門のアメリカ料理にとどまらず、様々なジャンルでカルローズを使った料理にチャレンジしたいとSachi先生。日本のもちもちしたご飯も大好きだと言うSachi先生ですが、一方でもっともっと、おコメの選択肢や活用の幅を広げていきたいとも。

「私たちの食生活や嗜好性は本当に多様化しています。コメも用途で積極的に使い分ける時代が来ているのではないかな。おむすびには日本米が合う。タイ料理にはタイ米がやっぱり合うし、メキシカンライスやリゾットにカルローズを使うと最高。料理により、最適なおコメは違うと思います。日本特有の一汁三菜の主役ということに留まらない、コメの幅広い活用性や新しい発見を、私の教室でどんどん紹介していきたいですね」

Sachiさん
〈構成・文:鈴木貴亮〉
延命寺 美也

Profile
ニキズキッチン Sachi

12歳から12年間アメリカで暮らす。大学卒業後はニューヨークの「French Culinary Institute」で調理と製菓を学ぶ。現在はニキズキッチンでアメリカ料理を教える傍らテレビ番組のフードコーディネート、フードプロデューサー、レストランやデパートのメニュー開発や広告用の料理制作、専門学校講師など活動の場は多岐にわたる。 ※ニキズキッチンは、40ヶ国以上の国の方のご自宅で料理を習うことのできる料理教室

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