出向シェフからフードプロデュースへ
- フレンチのシェフを務められていた恩師との出会いが、飲食業界に入られたきっかけだとうかがいました。
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宇佐美さんという方で、僕にとっての師匠です。今でも、一緒に飲みに行きます。でも、料理人になるなんて、思ってもいませんでした(笑)。中学生のときに『カクテル』(トム・クルーズ主演)という映画を観て、バーテンダーは格好いいと思っていた。それまでの仕事を変えようと考えて、まずはアルバイトとして、バーで働きはじめたんです。
- お店を変わって、宇佐美氏と出会われたのですね。
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昼間の仕事と掛け持ちだったので、きつくて。自宅に近い、川崎のバーの募集を見つけて、店を変わりました。そこのオーナーが、宇佐美さんでした。昼間は、ビストロやケータリング、夜はバー、という形態でしたが、どんどん料理の世界に巻き込まれていきました。入社後も、結局、バーテンダーではなく、料理補佐として働くようになったんです。
- どのような経緯で、フードプロデュースへつながったのでしょう。
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師匠(宇佐美氏)と新しいビジネスモデルを作ろうと話していたんです。バブルがはじけた頃で、レストランが次々と潰れ、コックへの信頼は失われていました。わがままだったり、連帯して辞めてしまったり。新たにレストランをやりたいというオーナーの中で、コックは雇いたくないという声が多かった。
出向シェフという発想は、そうしたニーズに応えるサービスでした。僕らがシェフとしてレストランに出向し、そのお店をサポートするというコンセプトです。やがてそれは、レストランウェディング、ハウスウェディングという形に発展していきます。Plan・Do・Seeでは、出向シェフに加わり、総料理長を務めました。そうした仕事を通じて、独学で業態開発を学び、転機となるnewsDELIへとつながったんです。