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Rice menu NAVI おコメを生かして、
日本人になじむ
ブリトーを作る

高橋博久 フリホーレス株式会社 取締役

2019年10月18日
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手作りの喜びを大切にしたい

インタビューを受ける高橋博久さん
弁護士を志望されていたとうかがいました。

大学を卒業後、弁護士を目指して勉強していました。なかなか試験に受からず、実家にも居づらくなって、本を担いで、三軒茶屋(世田谷区)に部屋を借りたんです。ある日、偶然入った手作りのハンバーガー店が、あまりにも美味しくて。これは、勉強している自分のまかないにいい! と思い、アルバイトとして働いたのが、人生の転機になりました。

そのお店で10年。飲食業界のノウハウを学ばれた。

そこは個人のオーナー店でした。とても真摯に仕事に取り組まれていました。自分は接客をしつつ、調理も手伝うという役割でした。調理では、包丁の研ぎ方、切り方から教わりました。あるとき、テレビに紹介され、あれよあれよという間に、行列のできる有名店になっていった。

そこから新規店の立ち上げや、新人教育、広報や経理も経験しました。仕入れの仕方を覚えたのも、この時期です。自分の力で生きるということが、試験勉強よりも楽しくなってしまいました。多くのものを学ばせていただいて、今でも感謝しています。

ご自身が感じた手作りの魅力は、フリホーレスでも生かされていますね。

自前で食材を切って、焼いて、また煮込んで、味付けをする。お客さまが食べるものに対して、無理な合理化はしない。それを貫きたい。
お客さまが「手作りのものを食べたい!」と思ったときに、(フリホーレスのブリトーが)選ばれるものでありたい。

経営的な視点に立つと、セントラルキッチン方式は、経費が抑えられて合理的です。しかし一方で、働く人たちが飽きてしまいやすく、離職率が高くなる面があります。
食材を触り、包丁を使って、自分の手で作るって、面白いんですよ。その魅力が、良い人材を集めるためのPRにもなる。
自分が作ったものを、お客さまが食べてくれる。テイクアウト、ピックアップが増えてくる時代だからこそ、作り手の喜びも、大切にしたいと考えています。

店舗の風景
店舗の風景

味のベースは、豆とコメ

インタビューを受ける高橋博久さん
ブリトーとタコスを核にしながら、メニューの改善にも取り組まれました。

お昼(ランチタイム)は強いのですが、夜(ディナータイム)が弱い。料理長と相談をしながら、少しずつ、サイドメニューを増やしています。ファーストフードのように前会計ですが、フルサービスのように、料理は作り立て。そうしたスタイルを生かし、お昼中心のお店からいかに進化できるか、日々、研究を重ねています。

メニュー開発については、どのようにお考えですか。

複数の店舗を持たれているところは、皆さん同じだと思うのですが、今ある在庫で、何ができるか? を考えます。(新メニューのために)新たな食材を入れると、ロスも出やすくなる。食材は、うまく使いまわさなくてはいけない。かつ、どこの店舗でも、誰が作っても同じような味が出せるように、味の標準化も必要です。

まずは何より、メニューの中心であるブリトーをいかに多く販売するかを考えています。
味のベースは、豆とコメです。お肉やアボカド、サルサは、建築でビルに例えるなら、上モノです。ベースがあるから、味が浮かずに安定する。お客さまは、必ずといっていいほど、選べる具材に「ライス(コメ)」を入れます。以前は、タイ米を使っていました。カルローズに変えて大正解でした。

店舗の風景
店舗の風景

ブリトーを変えた、おコメのチカラ

カルローズを使用したシラントロライムライス入りの「グリルドチキンのブリトー」と「ポークカーニタスのボウル」
カルローズを使用したシラントロライムライス入りの
「グリルドチキンのブリトー」と「ポークカーニタスのボウル」
カルローズをご支持いただいた理由とは?

中粒種と教わって、試食してみたら美味しかったんです。扱うならこれがいいと思いました。日本米よりさっぱりしているし、タイ米より食べごたえがある。タイ米を使うと、TEX-MEX色が強くなり過ぎる。
カルローズは、日本米ほどもっちりしていないし、ほどよい食感で、日本人がなじめるブリトーに近づいたと思います。

タイ米は扱いも難しく、なかなか美味しく炊けません。カルローズは、日本米の感覚で炊けます。コスト的にも、タイ米よりお得でした。
カルローズへのおコメの変更は大成功です。シアントロ(パクチー)と、ライムジュースを入れ、かき混ぜて、アメリカテイストのライスが簡単にできます。
TEX-MEXや、カリフォルニア料理などを作るなら、とてもよい選択だと思いますよ。差別化しやすく、使い続けたい食材です。

タコスでも(加える具材として)豆を選べるように、メニューを改めました。コメや豆が入ると、後味にも残る。
新規のお客さまは、タコスにも豆を(選んで)入れています。コメと豆を含め、日本のTEX-MEXには、そうした組み合わせの自由性があっていいと考えています。

「ワン・フリホーレス」で、美味しさは進化する

インタビューを受ける高橋博久さん
現場スタッフに加わり、店舗に立たれているわけは?

週に1回ですが、月交代で、5店舗のいずれかの現場に入っています。お客さまと向き合って、直接やりとりすることで、お店や商品へのお客さまの考えを肌で感じることができます。
オフィス街、住宅街、商店街など、立地エリアによる違いを学び、メニュー作りや広報のアイデアに生かしています。

みんなのレベルが上がるほど、既存のメニューでも、作り方がうまくなるので、もっともっと美味しくなります。毎月行うミーティングでは、「どうしたら、もっと美味しくなるか」について、活発な議論を交わしています。豆の煮込み具合をとっても、各店のこだわりで違いがありますが、美味しさを追求するためのものとして、その差を認めています。

調理方法にこだわりが生まれるのも、手作りだからこそ。互いに尊重し合いながら、自由闊達な意見が出せるよう、風通しの良いチーム(組織)でありたい。「ワン・フリホーレス」の精神で、全店舗が助け合い、力を合わせて取り組む土壌ができれば、自ずと、接客や料理のクオリティも向上すると考えています。

高橋 博久さん
フリホーレス株式会社 取締役 高橋 博久(たかはし ひろひさ)

Profile フリホーレス株式会社 取締役 高橋 博久(たかはし ひろひさ)

弁護士を目指し、大学を卒業後、アルバイトをしながら勉学に励む。ロイヤルホスト、スターバックスコーヒージャパンを経て、本格派のグルメバーガー店との出会いをきっかけに、飲食業界へ。約10年にわたり、ホールから調理、新規店の立ち上げ、経理など、店舗経営のノウハウを現場で学ぶ。
2016年、フリホーレスに入社し、現職。仕入れからメニュー開発、現場スタッフの指導に至るまで、5店舗を総括する実務責任者を務める。「ワン・フリホーレス」を掲げ、人づくり、店づくりを通じた、TEX-MEX料理の普及と進化に取り組んでいる。

フリホーレス株式会社
住所
〒106-0045 東京都港区麻布十番2-3-5
TEL
03-6459-4095
WEB
http://www.frijoles.jp/

Find out! Calrose 「ブリトーを変えたカルローズ」

今回の発見は、日本人がなじめるブリトー作りをかなえた、カルローズの食感と、食べごたえ。
フリホーレスのTEX-MEXメニューの可能性を広げていました。

ブリトーを変えたカルローズ ブリトーを変えたカルローズ