カリフォルニア州サクラメントバレーで収穫されるカリフォルニア米が注目されるのには、大きな理由があります。
それは自然環境にやさしい農法をめざし、サステイナビリティ(=持続できること)を実現していることです。最少必要量の農薬使用、水資源や大気汚染への徹底的な配慮、太陽光発電の利用などは全米のモデルケースとされています。
その取組みのひとつをご紹介すると、過去15年間で収穫後の焼き畑を75%まで減らし、大気汚染防止に大きく貢献。ひと昔前は刈取り後に田んぼに残る稲株を焼いていましたが、現在は田んぼにそのまま残したり、細かくして土中に埋めたりしています。また稲ワラを建材や畜産飼料などに使うリサイクルも推進しています。
また、環境への配慮の点でとくに注目したいのは、田んぼと何百万もの野生生物の共生です。
カリフォルニア州の20万ヘクタール以上の広大な田んぼは、水鳥などの野生生物の生息の場となっています。その恩恵を得る動物は、絶滅が危惧される30種を含め、230種にも及びます。春の稲の成育期にはエサ場となり、冬の間は稲ワラを埋めた田んぼの湿地で渡り鳥が羽を休めるなど、四季を通して野生生物に生活の場を与えています。野生生物が田んぼを踏み歩くことで、稲ワラの分解を助け、豊かな土壌づくりの手助けにもなっています。カリフォルニア米の生産と野生生物は自然の恵みをともに分かち合い、サステイナブルな農業が実現しているのです。
自然に、環境に、そして未来にとってやさしい農法でアメリカのおコメは栽培されています。