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Special座談会Special座談会(後半)

Special座談会(後半)

キャンプで食べる食事の
おいしさに目覚める人がいるのはとってもよくわかります。

キャンプシーズンといえば以前は夏や秋が主流でしたが、1年を通して幅広く楽しむのが現在のキャンプの人気スタイル。
「キャンプならではのおいしいものを食べたい」と季節ごとの旬の食材をもちいて作るちょっと特別なキャンプ料理をお目当てに家族や仲間とでかけてくる方が今増えています。

  • キャンプの時間で忘れがちな感覚が刺激されていくんです
  • キャンプで食べるごはんのおいしさに目覚める人がいるのはわかる!
  • 茹でて食べられる「カルローズ」はキャンパーの救世主 !?

などなど
今回は、キャンプ料理のスペシャリスト2名にお越しいただき、「外で食べる食事はなぜおいしく、楽しいのか?」の対談を開催。

ご出演は、国内の山や海はもちろん、海外の僻地までを旅先に選ぶアウトドアコーディネーターの小雀陣二さんと、日本の旬の味覚を求め野山や海など国内のフィールドを飛び回るフードデザイナー蓮池陽子さんです!

茹でて食べられる「カルローズ」はキャンパーの救世主 !?

左から今回の司会役のアウトドアライター福瀧智子さん、料理家/フードデザイナー蓮池陽子さん、アウトドアコーディネーター小雀陣二さん
左から今回の司会役のアウトドアライター福瀧智子さん、料理家/フードデザイナー蓮池陽子さん、アウトドアコーディネーター小雀陣二さん
  • 福瀧キャンプではカレーもお肉も豚汁も大定番メニューで、お米は主食として欠かせません。大人はビールを一緒にというパターンも大いにありますが、子どもたちや、あとは朝にお味噌汁と合わせる炊き立てごはんはかなりよろこばれますね。
  • 蓮池それは間違いないです。
  • 福瀧……ただ、私のような一般的な料理の腕前の人間からすると、野外での炊飯は相当レベルの高いことなんですよ。もう「サトウのごはん」で勘弁して…って思ってしまう。
  • 小雀そうなの? 雑誌で僕の連載10年以上担当してて?
  • 福瀧思いますよ、全然!(涙)
  • 小雀でも普段、炊飯器に任せている人はキャンプで炊く鍋の炊飯が不安と考えているのは確かなようですね。
  • 福瀧ただでさえキャンプでは慣れない道具で料理をしているので、ほかの調理に気を取られて炊飯を忘れてしまうこともあります。だからカルローズの「茹でて食べられる」というお米は、そんなキャンパーの救世主ではないかと思うほど。
  • 小雀確かに、僕も最初「パスタのように茹でても食べられるお米」と聞いて、まさかと思いましたからね……。僕ら日本人にとってのお米は、通常は炊飯器や炊飯鍋の釡内部の気圧を高めて炊くのが一般的。ですが、とくにキャンプなどアウトドアでバーナーを使う場合、風向きや気温変化によってつねに火加減に影響が出るので、たしかに自宅のキッチンよりも鍋の炊飯は難しいです。
  • 蓮池部分的に炊きムラが出てしまって、提供するときはそこだけ外して使ったりもしますからね。だからカルローズは茹でながら、さらに水が足らなければちょっとずつ足して好みの硬さに仕上げていけばいいという手軽さがとてもいい。そういう意味で本当にキャンプ向きと思います。
  • 福瀧そうなの!! パスタを茹でるような心持ちでごはんができるのは、私のような人間にとっては本当にありがたいです。
  • 小雀普通のお米は茹でるだけではどうしても芯が残りがちだから、おいしく食べるには炊くほうがいいからね。
  • 蓮池私は山菜やキノコの採集がライフワークで、秋は長野や新潟でキノコを採りに仲間やお客さんと山に入るんですが、その日の晩はみんなで囲むキノコ鍋だったりするんですよ。これまではリゾーニという米粒の形をしたパスタで最後仕上げていたんですが、カルローズならそのまま出汁と一緒に茹でて、粉チーズをかけてリゾットのように食べたらおいしいだろうな……と。
  • 福瀧あ~それは間違いないですね……、ほかにどういったレシピを思いつきます?
  • 蓮池カルローズはクセがなくてパラッとした仕上がりだから、主食にもなるライスサラダとか、あとはキャンプで作るカレーにもとてもなじみやすいと思います。それに、いい意味でお米としての主張が控えめなので、お米に味付けする料理にもむいていると思う。たとえばジャンバラヤなんかもよさそうですね。
  • 小雀相変わらずワンパクなもの好きだよね、蓮池さん(笑)
  • 蓮池えへへ。そうなんです私(笑)。今日はみなさんなので言いますけど、私ラーメンのスープをごはんにかけて食べるのが異様に好きなんですよ。
  • 福瀧意外にジャンクフードもOKなんですね。
  • 蓮池私お味噌の仕事もしているので、ちょっとこだわってキャンプで味噌ラーメンのおいしいスープを作って、最後そこにカルローズ入れて煮たらおいしそ!とさきほどから思っていました。
  • 福瀧あ、そういうのはとても親しみがわきます。たとえばキャンプで「サッポロ一番 みそラーメン」を大鍋で作ってみんなで食べて、そのあとカルローズ加えて炊き込んで、最後に七味振ってね。
  • 蓮池そうそう、追い味噌して食べるとか最高じゃないですか。
  • 小雀どんだけ炭水化物好きなんだ!(笑) でもそれもまた冬のキャンプで大型テント内に薪ストーブ入れて作るったりすると、楽しいし、コンパクトに完結していいですよね。みんなの満足げな顔が浮かぶ。
  • 蓮池そう、カルローズはみんなと食べる鍋の〆にもピッタリ。直接入れていい気楽さと、食べたいだけ量を決められる自由さもとても魅力です。
  • 福瀧ホント、計量カップでいちいち計る手間が省けるというのがすばらしい。分量から解放されるという意味でもキャンプ向けなんだと思います。あとはオートキャンプだけでなく、テント泊で何日も山をつないで歩く登山のキャンプや、シーカヤックで島から島を旅する無人浜のキャンプなんかでも重宝するんじゃないかな。
  • 小雀確かにそうだよね。アラスカ旅はすべて川辺でキャンプをして薪で炊飯するから、炊いても失敗が少ないカルローズは重宝すると思う。川で釣り上げたキングサーモンとイクラで作る親子丼と、アラで出汁をとった味噌汁……。あ~アラスカ行きたい!
  • 福瀧カルローズを車に積んでどこか行きたいですね。日本のおいしいものを求めて旅をする企画とかどうですか? 旬の食材を現地のキャンプ場で調理して、丼ものに仕上げる企画。題して『カルローズ侍が行く! 究極の丼を作る美食ニッポン旅』とか(笑)
  • 蓮池それ素敵! 私も声かけてもらえます?
  • 福瀧もちろんです! 蓮池さんの回は『マダムカルローズが行く! 極上の夫人ワンプレート』とか? 一ヶ月交代でおふたりに出ていただくとして……私は毎回ついていきますよ!
  • 小雀いいね!! そして各地でキャンプをしながら、山や川、海といったアウトドアフィールドにも出たいよね。やっぱりキャンプを楽しんでいる人100人のうち1人でも2人でもいいから、キャンプを外遊びのきっかけにしてもっとフィールドに出ていってほしいと思う。そこにはさらなる「非日常」が待っているから、キャンプと組み合わせれば楽しい世界はどんどん広がっていくと思います。

おまけ 「ロッキーカップ」で作るふたりの簡単キャンプごはん

「ロッキーカップ」というキャンプでおなじみのカップと、小型ガスバーナーだけを使って、おふたりにお手軽カルローズごはんを作っていただきました。

小雀さんは「メキシカンタコライス」

小型ザルごとロッキーカップでカルローズを茹でていったん取り出したあと、マッシュルームと挽肉を炒め、タコスシーズニングで味付け。カルローズごはんを戻してよく混ぜ、トマトやレタス、トルティーヤチップスを豪快に飾り付けました。

クミンなどスパイスの香り漂うピリ辛のタコミートと、フレッシュな生野菜、箸休めのチップスがよく合い、食欲が止まりません。

メキシカンタコライス

一方の蓮池さんは「鶏肉のピリ辛ゴマ味噌炒め丼」

蓮池さんもカルローズを茹でる際に小型ザルを利用。いったん取り出し、練りゴマや味噌、食べるラー油などで鶏肉としいたけを炒め合わせ、ごはんの上にのせてパクチーを散らしました。

こちらもピリ辛ですが、練りゴマと味噌でコク深くまろやかに仕上がった鳥肉がとてもごはんに合います! こちらもお箸、ならぬレンゲが止まらないさすがの仕上がり。

鶏肉のピリ辛ゴマ味噌炒め丼

Special座談会(前半)はこちら

アウトドアコーディネーター 小雀陣二

Profile アウトドアコーディネーター 小雀陣二

アウトドアメーカー勤務後、広告・CMなどアウトドアに関する撮影などでアウトドアコーディネーターに。得意な料理を通じ、雑誌を中心に新しいアウトドア料理、キャンプ料理のレシピや手法を紹介。野外イベントではアウトドア料理やキャンプの講師を勤めるほか、国内外のフィールドでの経験を活かしアウトドア道具の商品企画に関わる。著書『焚き火料理の本』『山料理』(山と渓谷社)、共著『“無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術』(グラフィック社)など。週末は不定期に神奈川県の三浦半島の突端、三崎港でカフェ「雀家」を営む。

フードデザイナー 蓮池陽子

Profile フードデザイナー 蓮池陽子

料理家/フードデザイナー。都内ビストロ勤務を経て、料理・製菓講師に。その後アウトドアでの料理や、山菜など自ら採取をする中で、おいしい物と豊かな自然が密接な関係にあると開眼。「食」のストーリーを追い求め、登山や釣りなど本格的なアウトドア活動も行なっている。著書に『簡単シェラカップレシピ』『バウルー公認! アウトドアでホットサンド』(山と渓谷社)、『うまみがギュッ! 水なし煮野菜レシピ』(TJ MOOK)など。

WEB:Atelier Story

Photo by 山本 智