アメリカ米について

シェフのとっておきカルローズメニュー

キュイジーヌフランセーズ「ル・グランブル」 野部哲司シェフ シェフこだわりのハンバーグステーキには、アルデンテのリゾットを添えて

基本を積み重ねた王道のフレンチ

東銀座の路地に佇むフレンチレストラン「ル・グランブル」。一見すると敷居の高そうな雰囲気ながら、店内はアンティークの調度品がシンプルに飾られ、木製のテーブルや椅子が温かみを感じさせます。シェフは2000年に、ここ銀座にお店をオープンされたとのこと。

「最初は、新宿に“グランブルグ”というお店をオープンしたんです。そこで6年半ほどやった後に、銀座に移ってきました。その時に、よりフレンチ色を強めたいと思って、『ル』をつけて“ル・グランブル”という店名にしました。」
「お店を出す前は、都内のフレンチレストランで修行し、その後に3年半ほどフランスへ勉強に行きました。すべてフランス料理のお店で6軒ほど渡り歩き、自分が目指す料理のお店だけでなく、創作的な料理のお店などさまざまなお店で勉強しました。」

 

シェフのつくる料理は、色鮮やかなアートのようなフレンチではなく、とてもオーセンティックな、いわば王道のフレンチ。当初からそうした方向を目指していたのでしょうか。

「もともと、煮込みのような、大きくしっかり食べさせるフランス料理が好きですね。言い方が良くないかもしれませんが、仕上げに手の跡を感じさせるような料理は、僕自身があまり好きではないんですよ。それに、そもそも僕は器用じゃないので(笑)」
「ソースとか基本となるものにはしっかりと手をかけます。仕込みの段階でも、火を強くする、弱くする、蓋をして汗をかかせるなど、いろいろと手間がかかりますし、そこに細心の注意をはらっています。ただし料理の装飾という部分での手間は、僕は排除してしまっているんです。流行に乗るのではなく、基本を丁寧に積み重ねることが自分の料理だと思っています。」

ハンバーグとリゾットに込めたシェフのこだわり

今回つくっていただいたメニューは、フレンチレストランのランチとしては、ちょっと意外な“ハンバーグ”。さらにこれもフレンチとしては珍しくリゾットが添えられています。

「これは、オープン当初から出していたものです。もともと、パリのビストロの定番である、一枚肉の大きなステーキにフレンチフライをたっぷり添えた、『ステーキフリッツ』のようなメニューのイメージがありました。ランチで気軽に食べてもらえる金額にすることも考えて、このハンバーグに行き着きました。このハンバーグは、肉の味をしっかり楽しめるよう、牛のもも肉を挽いてつくっています。テレビなどでよく見かける、ナイフを入れると肉汁が流れ出すようなハンバーグとは全く別物です。」

 

「確かにリゾットもフレンチでは珍しいと思います。僕もフランスでは食べたことがありません(笑)。ただ、ランチとして食べ応えを出したかったのと、なによりこのリゾットはデミグラスソースとの相性が非常によく、うちのハンバーグと一緒に食べたときに、その食感がとてもよく合うんです。フランスではおコメは野菜の一種という位置づけなんですね。下茹でしたら、水気を切って、バターで和えて料理のつけ合わせにしたりする。その感覚でリゾットを添えてみました。」

品質、安全性、価格に納得して選んだカルローズ

リゾットに、カルローズを使い始めたのは最近とのこと。以前は日本米を使われていたそうですが。

「おコメでも小麦粉でもなんでもそうですが、僕は自分できちんと調べて、良いと思ったものしか使いません。実際、輸入米ということで、はじめは安全面の不安もあったので、使う前に残留農薬検査の結果など検査証をすべて見せてもらいました。その結果、品質、安全性、価格に納得して使うことを決めました。
カルローズの良さは、アルデンテの食感が長持ちすることですね。時間をおいてもピューレ状にならず、おコメの粒が立ったおいしい状態が続くので、以前ほど手間がかからず、その分他の調理にも時間を使えるようになりました。」

 

野部シェフにリゾットの美味しいつくり方を伺うと、“すべて企業秘密”とのこと。ただし、このリゾットは、イタリアンのリゾットとはちがう、と一言だけ明かしてくれました。

「そもそも、リゾットは手間がとてもかかる料理なんです。おいしいリゾットを食べようと思ったら、お店で食べてください。それが一番です。
しいて言えば、カルローズを使って調理をするときは、玉ねぎやマッシュルームなど他の食材とおコメを一緒に炊いたり、炒めたりした方がいいです。別々に扱いがちですが、一緒に調理したほうが、おコメにしっかり味が浸透します。そうすると後の調味の段階で、余計な濃い味つけをしなくて済むんですよ。そしてもう一点は、材料の分量と、お鍋やフライパンなどの調理器具のバランスですね。家にあるお鍋にちょうどいい量がどれくらいかを見きわめることも大事なポイントです。」

お気に入りの店には何度も通って“シェフをその気に”させて

素材にこだわり、手間にこだわり、自分のポリシーを強く持たれているシェフに、“フレンチの楽しみ方”を教えていただきました。

「フレンチに限ったことではないですが、お肉や魚、そこに添えられているソースや付け合せ、すべてが一体になって一番おいしく味わえるように考えてつくられています。みんなで取り分けてワイワイと食べるのも楽しいですが、時には、ひと皿のすべてを味わい尽くすというつもりでシェフに真剣勝負を挑んで欲しいですね(笑)シェフは、お客さまの注文の仕方や、料理の味わい方を見て、触発されるということもあるんですよ。
そして、お店のおすすめにもぜひトライしてみてください。その中から、また新しいお気に入りもできるはずですから。さらに、気に入ったお店には、何度も通うということも大事なことだと思います。何度も通って、“シェフをその気に”させてください。そうすると、シェフは今以上に本気になりますから(笑)」

ハンバーグステーキ リゾット添え

一枚肉のようなボリュームのハンバーグステーキに、カルローズのアルデンテ感が活きるチーズリゾットを添えたお店の人気ランチメニュー。天然酵母の自家製パンとドリンクのセットで1,050円と非常にリーズナブルながら、吟味された素材、丁寧に仕上げられたソースなど正統派フレンチシェフのこだわりが味わえる一皿です。

美味しさのワンポイントアドバイス
  • おコメは食材のひとつ。玉ねぎやマッシュルームなど他の食材と一緒に炒めたり炊くことで一粒ひと粒に味を行き渡らせて
  • 家庭では、手持ちの鍋やフライパンに合った分量を見きわめることがポイント
ハンバーグステーキ リゾット添え

 

 
野部 哲司シェフ

野部 哲司シェフ

東京・三田のフレンチの名店「コート・ドール」で修行後、渡仏。本場フランスでさらに3年半の経験を積み、帰国後、準備期間を経て新宿に自身の店「グランブルグ」を構える。2000年に店名を「ル・グランブル」と改め現在の東銀座に移転。基本を丁寧に押さえ、シンプルに仕上げる骨太なフランス料理を身上とする。

 

キュイジーヌフランセーズ Le Grandbourg(ル・グランブル)

キュイジーヌフランセーズ Le Grandbourg(ル・グランブル)

2018年12月末で閉店しました。

 

カルローズを使って

「カルローズ」は、“カリフォルニアのバラ”を意味するカリフォルニア州オリジナルのおコメ。日本のおコメ(短粒種)と比べ少し長い「中粒種」のジャポニカ種です。
アルデンテの軽い食感と調理の手軽さが特長のカルローズは、世界40ヶ国以上へ輸出されており、野菜やパスタ感覚で幅広い料理に活かせる食材として世界でもよく知られたおコメです。

詳しくはコチラ

 

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